創世記11章10~32節「テラの家族の旅立ちと安住」

創世記 11:31  テラは、その息子アブラムと、ハランの子で自分の孫のロトと、息子のアブラムの妻である嫁のサライとを伴い、彼らはカナンの地に行くために、カルデヤ人のウルからいっしょに出かけた。しかし、彼らはカランまで来て、そこに住みついた。 

文明と偶像崇拝の中心地に住んでいたアブラムは、カナンの地に行くように召され、妻の他、父テラ、弟ナホル、おいロトを連れて、生まれ故郷ウルを出発します。しかし、彼らはカランで途中下車して、そこに安住しました。カランがアブラムにとって第2の故郷となるほど長期間彼らはそこに滞在し、その間に多くの財産と奴隷たちが与えられました。

信仰の高嶺を目指すように神に召された私たちも、ある程度、神の祝福を受けてしまうと、クリスチャンなんてまあだいたいこんなものだろうと思ってそれ以上進むことをやめてしまう時期があります。信仰の停滞期です。

アブラムに第二の人生の転機が訪れるのは75歳のときです。神の召しをもう一度聞き、そこに立ち返りました。このときテラは145歳でまだ死んでいません!年老いた父や弟ナホルをそこにおいてでもアブラムはカナンの地を再び目指しました。

父テラは慣れ親しんだ偶像から離れられないでいたのかもしれません。年寄りなのでもうここで死なせてくれと言ったのかもしれません。アブラムは父テラがとめるのを振り切ってでも神の召しに従うことを選び取りました。その結果は限りない神の祝福であり、アブラハム、イサク、ヤコブと続くイスラエル民族の誕生の系図であり、その先にメシアがお生まれになります。

神はアブラムの決心を祝福してくださいました。そして、その後のテラの系図を見れば、アブラハム、イサク、ヤコブにもたらされたイスラエル民族の祝福は、弟ナホルの家族にも流れたことがわかります。イサクの妻も、ヤコブの妻も、弟ナホルの子孫です!ナホルはカランに住み続けましたが、アブラハムと同じ神を信じるようになりました。

父テラがアブラハムの神を信じたかどうか、聖書は語っていません。しかし、長男アブラムが神の道を歩んでいく姿を見ていた父テラも晩年、アブラハムの神を信じたのではないだろうか、私はそう思います。私の父が今年になって仏壇と墓を処分して、息子のキリスト教に入ってもいいと考えて下さっていることと重なります。一人が神の召しに立つとき、その家族にも祝福が流れます!