創世記11章1~9節「バベルの塔とグローバリズム」

創世記 11:4 そのうちに彼らは言うようになった。「さあ、われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名をあげよう。われわれが全地に散らされるといけないから。」

バベルの塔は、ノアの洪水後、地上で最初の権力者 となったニムロデが自分の王国の権力と繁栄を誇示するために、シヌアルの地バビロンに建設したものです。神はそれを見て「彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。」(権力を極限まで 集中させ、ついには自分を神とするところまで突き進む)と判断し、全地のことばを混乱させ、人々を地の全面に散らしました。これは、地上にニムロデのような独裁者による統一政府が登場して人類を破滅に導くことを防ぐ「神の知恵」だったと思います。パウロの次の言葉の通りです。

使徒 17:26,27  神は、ひとりの人からすべての国の人々を造り出して、地の全面に住まわせ、それぞれに決められた時代と、その住まいの境界とをお定めになりました。 これは、神を求めさせるためであって、もし探り求めることでもあるなら、神を見いだすこともあるのです。

しかし、人間は性懲りもないものであり、それぞれの民族がそれぞれに与えられた土地で町(国家)を築くだけでは満足せず、他の領土(国)にも覇権を広げようとします。「バベルの塔」事件は終わったのではありません。むしろ今日始まっていると言えます。私たち人間には、権力を握り、神に反逆するニムロデの罪の性質が宿っています。人類は結局のところ、終わりの日に「バベルの塔」を建ててしまうのです。黙示録の「大バビロン」がそれです。大バビロンは、偶像崇拝の中心であるとともに、世界の富を集め、人々を物質主義に酔わせます。

黙示録18:3「それは、すべての国々の民が、彼女(注:大バビロン)の不品行に対する激しい御怒りのぶどう酒を飲み、地上の王たちは、彼女と不品行を行ない、地上の商人たちは、彼女の極度の好色(注:「ぜいたく」とも訳される)によって富を得たからである。」

グローバリズムやリベラリズムが極限まで進んできた今、人々はグローバル自由経済が奪い合いと貧富の格差を生み、平和をむしばんでいる矛盾にようやく気がつき始めました。トランプ大統領は先日の国連演説で「アメリカ第一主義」とは、すべての国が自分の国を第一にすることと同じであるとして、次のように言いました。

『強い主権国家は、異なる価値観、異なる文化、そして異なる夢をもつ多様な国々がただ共存するだけでなく、互いの尊敬のもとに助け合って働くことを可能にします。強い主権国家は、個人が神の意図した人生の豊かさの中に繁栄することを可能にします。』

そして、『アメリカは我々の生活様式を他の誰にも押し付けることはしないが、誰もが見ることのできる模範として輝く。』と宣言しました。

歴史に残る名演説だったと思います。トランプ政権の保護主義は今、世界のグローバリズムに警鐘を鳴らしブレーキをかける役割を果たそうとしています(そして、グローバリズムとリベラリズムを信奉するエリート層やメディアから激しい抵抗を受けています)。トランプ大統領のアメリカは正しい方向に舵を切ったのだと思います。それは世界のバビロン化、そして終末が来るを少しでも遅らせるのに役立つだろうと思います(あまりにも遅すぎましたが)。