創世記18章1~15節「Pass me not」

創世記18:1  主はマムレの樫の木のそばで、アブラハムに現われた。彼は日の暑いころ、天幕の入口にすわっていた。 

18:3  そして言った。「ご主人。お気に召すなら、どうか、あなたのしもべのところを素通りなさらないでください。 

アブラハムは「わが主よ、もしわたしがあなたの前に恵みを得ているなら、どうぞしもべを通り過ごさないでください。 」(口語訳)と祈っています。

「もしわたしがあなたの前でめぐみを得ているなら」は、創世記6:8のしかし、ノアは主の前に恵みを得た。」 (口語訳)から来ています。アブラハムは、わたしもノアのように神の前に恵みを得ているなら、「どうかこのしもべを通り過ぎないでください。」と切に願いました。この切なる願いがなければ、主はアブラハムの天幕には立ち寄らずに、そのまま通り過ぎるおつもりでした。

"Pass me not"(『主よ、わがそばをば過ぎ行かず』)

盲目のファニー・クロスビーが作った賛美歌の中の名曲です。彼女は刑務所の前を通ったとき、囚人が「主よ。私を通り過ぎないでください」と祈るのを聞きました。健常者である他の女性たちが神の声を聞いて次々に尊い働きに召されていく中、賛美歌を作ることしかできなかった彼女の心には主よ、私を通り過ぎないでください」という切ない叫びがありました。

アブラハムのテントは、四方に入口があったと言われています。どこから神が訪れても会うことができるように、神の訪れを見逃すことがないように。神に会いたいというアブラハムの切なる願いが「彼は日の暑いころ、天幕の入口にすわっていた。 」という言葉に表されていると思います。天幕の奥ではなく、入口に座って天からの訪問客を待ちます。

"Pass me not"ー神の訪れを待ち望み、神を引き留めてでも交わりを求めるせつない思いがあるかどうか、心を点検します。