序文

詩篇二三篇についてのこの講解説教は、自分の教会の会衆に向けて、また数多くの夏のバイブルカンファレンスで、数年間にわたって話してきたものです。その内容を五つのメッセージのシリーズに凝縮し、一九五三年の二月にムーディ・ファウンダーズ・ウイーク・カンファレンスで話しました。このメッセージを本にして欲しいという要望が繰り返しありましたので、そうすることに決めました。この説教集は、目に見える聴衆が私の説教から受けた祝福をいくらかでも読者の方々が受けられるように、とりわけ、この説教を準備し、話す中で、著者の私の心をとらえた祝福の幾分かでも受けることができるようにと、真剣に祈りつつ、用意したものです。
詩篇二三篇に関する数多くの情報から助けを受けたことを感謝します。多くの作家や教師から教えられて、この詩篇についての知識と理解を深めることができました。しかしながら、私が受けた祝福の最も豊かな源泉は、羊飼い御自身が私を導き入れられた経験という学校にありました。他の人が書いた本から多くを学ぶことができるかもしれません。しかし、人が羊飼いにだけ連れ添われ、日陰や日向を独り歩むとき、もっと無限に多くのことを学ぶことができるでしょう。
文章上の表現は必ずしも満足できるものではありません。これは公衆の前で口頭で話した講解説教を再生して、原稿を作成したためです。講演という性格上、テープの録音から抜き出したものには、即興的に話した内容もあり、本として読みやすい表現に直す努力を重ね、原稿を完成させました。

R・T・ケッチャム